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【速報分析】令和7年司法試験短答式試験の結果発表
令和7年司法試験の短答式試験の結果が、令和7年8月7日に法務省大臣官房人事課より発表されました。
受験者数、合格者数、合格率、性別構成は以下の通りです。
<令和7年司法試験予備試験の受験状況 詳細>
■受験者数
3,837名 (前年3,779名)
■短答式試験合格対象者数
2,902名(前年2、958名)
■合格率
75.63%(前年78.27%)
■性別構成
男性:1,973人(前年2,017人)
女性:929人(前年941人)
受験者数は増加した一方で、合格対象者は減少し、全体の合格率は低下しました。
令和5年(在学中受験が可能になった初年度)の合格率は80.16%(受験者3,928人)でしたが、今年はこれを4.53ポイント下回り、合格基準の厳格化がうかがえます。司法試験の最終合格率は令和5年から令和6年にかけて低下しており、合格者の減少傾向が続く可能性があります。
短答式試験では、合格に必要な成績基準は以下の2条件ですが、条件①が例年と比較して厳しかったことが合格率低下の主因と考えられます。
条件①:各科目で満点の40%以上(憲法20点、民法30点、刑法20点)を得ること。
条件②:条件①を満たした上で、3科目の合計得点が81点以上であること。
昨年は条件①通過率が87.15%、条件②通過率が90.60%でした。今年は採点対象者3,815人のうち、条件①通過率が78.13%、条件②通過率が97.34%で、特に条件①の通過率が前年比9.02ポイント低下しました。
出身別では、法科大学院出身者3,365人(修了者2,013人、在学中1,352人)のうち、短答式試験の合格に必要な成績を得た者は2,434人で、全体の合格率は72.33%でした。内訳では修了者が66.77%、在学中が80.62%と在学中の方が高い合格率を示しました。しかし在学中の合格率は昨年の85.55%から低下しており、準備期間が短い在学中受験者にとって、今年の条件①の厳格化が大きく影響したとみられます。
一方で、予備試験合格者からの受験者数は472人でした。このうち短答式試験の合格に必要な成績を得た者は468人で、合格率は99.15%にのぼりました。
短答式試験における主要な法科大学院(合格者100人以上、合格者数順)の合格状況は以下の通りです。
・早稲田大法科大学院:受験者数325人、合格者数248人、合格率76.31%(修了者70.00%、在学中82.42%)
・慶應義塾大法科大学院:受験者数236人、合格者数183人、合格率77.54%(修了者68.24%、在学中82.78%)
・東京大法科大学院:受験者数232人、合格者数177人、合格率76.29%(修了者66.39%、在学中86.73%)
・京都大法科大学院:受験者数219人、合格者数176人、合格率80.37%(修了者68.82%、在学中88.89%)
・中央大法科大学院:受験者数190人、合格者数147人、合格率77.37%(修了者66.67%、在学中87.63%)
・大阪大法科大学院:受験者数168人、合格者数125人、合格率74.40%(修了者67.35%、在学中84.29%)
・神戸大法科大学院:受験者数136人、合格者数103人、合格率75.40%(修了者72.86%、在学中78.79%)
2025年司法試験の最終合格発表は11月12日に行われる予定です。
企業法務革新基盤では、司法試験の合格発表でも速報分析を行います。
参照:法務省HP 令和7年司法試験の結果について(外部リンク)
https://www.moj.go.jp/jinji/shihoushiken/jinji08_00270.html
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