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「法務人材の転職及び弁護士の転職へのコロナ禍による影響続編Vol.7 外資系製薬企業 法務部長のコメント後編」

REPORTS 2020.06.03

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「ただし、リーマンショックと異なり金融インフラは大きな痛手を受けていないので、現在の混乱が鎮静化した以降は新しい動きが間をおかずに生まれていくと思われます。コロナの追い風を受けた企業はさらに前進するために動き、逆風を受けた企業は新しい事業モデルへの移行を模索するでしょう。新しい変化、新しい取り組みの大きな波が生まれると予想します。」と指摘する。

 リーマンショックとの違いを歴史的に考察することは重要だ。リーマンショックのときには、金融インフラが大きな痛手を受けたわけであるが、今回はそうではないことを指摘している。そのことがなぜ「新しい動きが間をおかずに生まれていく」ことにつながるのであろうか。当職はシンプルに理解する。つまり、変化をするためには、投資が必要であり、投資に不可欠の要素は資金だ。資金の供給源の一つである金融インフラが大きな痛手があると回復に必要な資金がマーケットに十分提供されなくなるわけだ。今回は「混乱が鎮静化した以降は」、金融が「新しい変化」「新しい取り組み」に必要な資金を提供し「大きな波がうまれる」と形容されていると解される。本連載vol6で双日株式会社執行役員守田氏も「リバウンド」という表現を使用され類似の認識を示されていた。本連載でコメントされた方々に特徴的なことがある。決して現在の動きを悲観するだけに拘泥しないことだ。常に光を見出し、次の進化を見据えるという共通性を感じるのは当職だけではないだろう。

「前例のない未来と変化を貪欲に法的な枠組みの中に取り込むべく格闘できる法律家には大きな活躍の舞台が待っています。他方で、前例の枠から外へ踏み出さず、安全地帯で声を上げているだけの法律家には存在価値に疑問符が投げかけられていくでしょう。」と続く。
 
 大きな活躍の舞台に主人公として立てる法律家の要件を前段で示している。すなわち、「前例のない未来と変化」を「法的な枠組みに取り込むべく格闘できる法律家」である。「先例のある過去」に固執する方は舞台に立てなくなるというのだ。そのような発想の上司や部下、いずれも将来性がないということだ。固執するならば、次の展開を考えよう。人生をささげる必要はない。もっとやるべきことがあるはずだ。外資系製薬会社の法務部長は、企業法務業務の発注元である。そのことを前提とすると、いかなる弁護士をA氏が求めているか明白になろう。
 
 後段は厳しい。「前例の枠から外へ踏み出さず、安全地帯で声を上げているだけの法律家には存在価値に疑問符が投げかけられていく」。疑問符と表現されているが、疑問符ではなく存在価値がなくなると伝えているのだろう。このことは、法律事務所でも企業内法務でも、そして、当職にも突き付けられている。覚悟を持たなければならない。多くの法律家が変化をリードする役割を果たせば、法律家全体に対する認知や役割も次の段階に進めるチャンスとなるという含みもあろう。

「そのような分岐点を前に、自らの立ち位置や仕事のスタイルを省み、今後を展望することが重要な時期だと思います。」と今いかなる「とき」なのかを示す。今後を大きく展望するときだ。日々同じように仕事をしているように見えて、一人一人差が出てくる。人生には、「とき」は重要だ。種を植える時期を間違えれば、花は咲かない。自然の摂理と同じように「とき」をどう捉えるか。各人に問われている。

第8回は、大手企業 法務部長からの辛口コメントです。6月7日に掲載予定となります。ご期待ください。

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