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2022年全国法律事務所ランキング100 Presented by 企業法務革新基盤

REPORTS 2022.06.06

企業法務革新基盤株式会社では、2022422日時点における日本全国の法律事務所の弁護士数、女性比率などを調査いたしました。本記事では第一弾として、弁護士数上位100法律事務所の解説を行います。同率が存在するため、101事務所(弁護士数23名以上)がランクインしています。

なお、本ランキングに入らないような少数精鋭でクライアントからの圧倒的な信頼を得る法律事務所が数多く存在すること、さらに規模と実力が必ずしも一対一対応するわけではないことは言うまでもありません。人数規模とは、経営方針、カルチャー、得意とするプラクティスエリアなどに基づいて、戦略的に決められるべきものです。

他方で規模論は、法律事務所経営における肝要な論点でもあります。人数規模は、売り上げや世代継承をはじめ、組織としての永続性と深く関わる重要な要素であると考えられます。また適正な規模は、プラクティスエリアの多様性や厚みを通じてクライアントへの訴求にも繋がることでしょう。本ランキングに連載されている法律事務所の中には、今後のリーガルマーケットを牽引すると予想させる明確な経営方針と十分な実力を持つ法律事務所が数多くあります。そこで当記事では人数規模という切り口から、法律事務所の最新動向を議論いたします。

以下が、2022422日時点における法律事務所の弁護士数ランキングです。

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順位 事務所名 弁護士数 74期
弁護士数
(昨年比)
弁護士数増減
(昨年比)
弁護士数増加率(%)
1 西村あさひ法律事務所 648 45 12 1.9
2 アンダーソン・毛利・友常法律事務所 539 44 21 4.1
3 TMI総合法律事務所 536 38 35 7.0
4 森・濱田松本法律事務所 531 41 37 7.5
5 長島・大野・常松法律事務所 526 43 13 2.5
6 ベリーベスト法律事務所 346 72 57 19.7
7 弁護士法人アディーレ法律事務所 223 28 53 31.2
8 渥美坂井法律事務所・外国法共同事業 186 9 19 11.4
9 シティユーワ法律事務所 167 6 5 3.1
10 弁護士法人大江橋法律事務所 156 8 7 4.7
11 ベーカー&マッケンジー法律事務所外国法共同事業 137 7 9 7.0
12 北浜法律事務所・外国法共同事業 97 5 ▲ 1 ▲ 1.0
13 虎ノ門法律経済事務所 95 5 2 2.2
14 弁護士法人ALG&Associates 88 14 ▲ 1 ▲ 1.1
14 弁護士法人御堂筋法律事務所 88 5 ▲ 3 ▲ 3.3
16 岩田合同法律事務所 86 4 4 4.9
17 モリソン・フォースター法律事務所 80 2 3 3.9
18 三浦法律事務所・弁護士法人エムパートナーズ 72 5 24 50.0
19 Authense法律事務所 66 5 ▲ 1 ▲ 1.5
19 弁護士法人淀屋橋・山上合同 66 5 0 0.0
21 弁護士法人中央総合法律事務所 57 7 0 0.0
22 牛島総合法律事務所 55 6 3 5.8
23 桃尾・松尾・難波法律事務所 53 4 3 6.0
24 阿部・井窪・片山法律事務所 51 1 2 4.1
24 東京丸の内法律事務所 51 2 3 6.2
24 弁護士法人瓜生・糸賀法律事務所 51 4 5 10.9
27 田辺総合法律事務所 48 2 1 2.1
27 弁護士法人心 48 1 4 9.1
29 島田法律事務所 45 3 5 12.5
29 光和総合法律事務所 45 2 1 2.3
29 弁護士法人三宅法律事務所 45 2 8 21.6
32 岡野法律事務所 44 1 3 7.3
33 のぞみ総合法律事務所 42 2 3 7.7
33 弁護士法人愛知総合法律事務所 42 3 1 2.4
33 弁護士法人大西総合法律事務所 42 2 1 2.4
33 弁護士法人泉総合法律事務所 42 0 0 0.0
37 あさひ法律事務所 41 0 ▲ 1 ▲ 2.4
37 AZX総合法律事務所 41 5 4 10.8
39 ホワイト&ケース法律事務所・外国法事務弁護士法人 39 2 5 14.7
39 弁護士法人第一法律事務所 39 1 2 5.4
39 虎門中央法律事務所 39 0 ▲ 1 ▲ 2.5
39 弁護士法人朝日中央綜合法律事務所 39 2 1 2.6
43 鳥飼総合法律事務所 38 2 0 0.0
44 三宅坂総合法律事務所 37 4 5 15.6
45 松田綜合法律事務所 36 2 2 5.9
46 クリフォードチャンス法律事務所外国法共同事業 35 2 ▲ 1 ▲ 2.8
46 片岡総合法律事務所 35 2 1 2.9
46 原後綜合法律事務所 35 1 3 9.4
46 東京法律事務所 35 2 2 6.1
46 ひかり総合法律事務所 35 1 2 6.1
46 法律事務所ASCOPE 35 9 8 29.6
46 弁護士法人響 35 8 14 66.7
46 石嵜・山中総合法律事務所 35 1 ▲ 1 ▲ 2.8
54 ネクスパート法律事務所 34 2 6 21.4
55 外国法共同事業法律事務所リンクレーターズ 33 2 0 0.0
55 T&K法律事務所 33 4 5 17.9
55 隼あすか法律事務所 33 1 0 0.0
55 さくら共同法律事務所 33 0 1 3.1
55 きっかわ法律事務所 33 2 2 6.5
55 協和綜合法律事務所 33 2 ▲ 2 ▲ 5.7
61 弁護士法人GVA法律事務所 32 3 ▲ 1 ▲ 3.0
61 弁護士法人梅ヶ枝中央法律事務所 32 1 0 0.0
61 弁護士法人琥珀法律事務所 32 4 1 3.2
61 DT弁護士法人 32 0 0 0.0
65 弁護士法人キャストグローバル 31 1 ▲ 1 ▲ 3.1
65 奧野総合法律事務所・外国法共同事業 31 0 0 0.0
65 弁護士法人内田・鮫島法律事務所 31 4 4 14.8
68 法律事務所ZeLo・外国法共同事業 30 5 10 50.0
68 名古屋第一法律事務所 30 0 ▲ 2 ▲ 6.2
68 丸の内総合法律事務所 30 2 0 0.0
68 柳田国際法律事務所 30 3 1 3.4
72 堂島法律事務所 29 2 3 11.5
72 梅田総合法律事務所 29 1 1 3.6
72 旬報法律事務所 29 1 1 3.6
72 弁護士法人一新総合法律事務所 29 1 ▲ 1 ▲ 3.3
72 弁護士法人関西法律特許事務所 29 1 2 7.4
72 弁護士法人ほくと総合法律事務所 29 0 4 16.0
72 弁護士法人One Asia 29 0 7 31.8
79 鴻和法律事務所 28 1 1 3.7
79 名城法律事務所 28 2 2 7.7
79 弁護士法人プロテクトスタンス 28 0 ▲ 2 ▲ 6.7
82 弁護士法人伏見総合法律事務所 27 0 6 28.6
82 稲葉総合法律事務所 27 3 5 22.7
82 早稲田リーガルコモンズ法律事務所 27 2 ▲ 12 ▲ 30.8
82 東京八丁堀法律事務所 27 1 1 3.8
82 弁護士法人東町法律事務所 27 1 4 17.4
87 色川法律事務所 26 1 4 18.2
87 紀尾井町法律事務所 26 2 1 4.0
89 明倫国際法律事務所 25 0 2 8.7
89 弁護士法人港国際法律事務所 25 0 ▲ 1 ▲ 3.8
91 半蔵門総合法律事務所 24 0 ▲ 4 ▲ 14.3
91 城北法律事務所 24 0 ▲ 1 ▲ 4.0
91 奥・片山・佐藤法律事務所 24 0 ▲ 1 ▲ 4.0
91 スクワイヤ外国法共同事業法律事務所 24 0 ▲ 2 ▲ 7.7
91 横浜綜合法律事務所 24 2 0 0.0
91 新麹町法律事務所 24 0 ▲ 3 ▲ 11.1
97 ディーエルエイ・パイパー東京パートナーシップ外国法共同事業法律事務所 23 1 1 4.5
97 東京新生法律事務所 23 1 1 4.5
97 日比谷見附法律事務所 23 0 ▲ 1 ▲ 4.2
97 弁護士法人小野総合法律事務所 23 0 0 0.0
97 みらい総合法律事務所 23 0 ▲ 1 ▲ 4.2
2022年4月22日、企業法務革新基盤株式会社調べ。事務所名には主たる事務所の名称を記載しております。
本図表について、その一部又は全部につき、企業法務革新基盤株式会社に無断で転載、掲載することを禁止します。
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このような人数動向は、法律事務所同士が規模・総数動向を相互に意識していることの一つの証左でもありましょう。かつては、法律事務所が重視すべきは質のみであり人数は結果論との見立ても存在しましたが、昨今においては人数が重要な経営手段の一つである可能性すらも伺わせます。規模と売り上げ、規模とコスト構造、規模と世代継承、規模とブランディングなど、規模と様々な要因との結びつきが、背景に存在すると考えられます。

次に、弁護士数第6位以降の法律事務所を概観します。二つの企業法務系法律事務所では、弁護士数の増加率(昨年比)が50%に達しております。一つは三浦法律事務所です。昨年1月次の48名からの50%増は異例であり、また初の修習生採用では5名の採用と、意欲的な採用動向を示しております。もう一つは法律事務所ZeLo・外国法共同事業です。同法律事務所も昨年比10名増、74期弁護士も5名採用と、積極的な採用を見せております。

そのほか、本ランキング掲載の101法律事務所中、昨年比で10%以上の弁護士数増となったのは、24法律事務所(全体の約23.8%)に上りました。

このような規模拡張が各法律事務所の確固たる健全な経営戦略に基づくものであり、かつその戦略がクライアントや弁護士に効果的に伝達できているならば、法律事務所としての強烈な強みとなることでしょう。一方で、規模の変化は法律事務所の経営能力を試すものでもあります。事務所のビジョン・カルチャーにフィットし、かつそれを一層前進させるようなパートナーシップを設計できているか否かは重要な経営論点となります。構成員間の慣習や個別対応に基づく運営を脱却し、事務所の価値観を体現・伝達する適切な制度設計を実現できるか否かという点で、法律事務所の実力が一層問われます。

幸甚にも弊社の組織コンサルティングサービスにおいては、法律事務所の未来を切り開く覚悟と志をお持ちである、卓越した弁護士の方々の伴走をさせていただいております。事務所の価値観の再定義、およびその体現に向けた制度の設計、そしてそれらを通じた法律事務所とリーガルマーケットの革新のため、弊社は今後とも尽力させていただくことを最後に付言させていただきます。

次の記事では、女性比率ランキングについて議論いたします。

  1. 本調査は、2022422日時点の日本弁護士連合会等の公表データをもとに、企業法務革新基盤株式会社が作成しています。正確性を保つよう合理的な努力をしましたが、調査結果について企業法務革新基盤株式会社として完全性、正確性を保証するものではありません。
  2. 事務所名には主たる事務所の名称を記載しております。
  3. 本記事に記載されたコメントは企業法務革新基盤株式会社の見解です。
  4. 本記事に記載された調査、編集、図表、分析された内容について、その一部又は全部につき、企業法務革新基盤株式会社に無断で転載、掲載することを禁止します。

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