Books & Reports

書籍とリポートについて

「法務人材の転職及び弁護士の転職へのコロナ禍による影響続編Vol.11 三浦法律事務所パートナー 三浦亮太弁護士のコメント 3/5」

REPORTS 2020.06.30

1/5
https://lawplatform.co.jp/booksreports/2020/06/vol1115/

2/5
https://lawplatform.co.jp/booksreports/2020/06/vol1125/

 さて、ここで三浦弁護士のキャリアを見てみよう。開成高校を卒業し、1997年に東京大学法学部卒業。2000年に森綜合法律事務所に入所する。三浦弁護士の入所から約2年後の20024月に森綜合法律事務所は濱田松本法律事務所と合併を発表し、森・濱田松本法律事務所が誕生する。キャピタルマーケットを中心とした金融分野で国内トップとしての地位を占めていた濱田松本法律事務所と合併したのだ。合併後の2003年には弁護士数は約150名に達し、巨大法律事務所として歩みはじめる。この時期、森・濱田松本法律事務所は日弁連会長に本林弁護士を輩出するなどした。そして、右上がりで成長を今日まで続けている。この激動の時代に、若き日の三浦弁護士は、仕事に懸命に励んだ。夜の食事は帰宅してとり、その日のうちにオフィスに戻り再度業務に取り組んでいたという。12セット仕事をするということだ。激動の時期は多忙を極めるが、変化のなかでしか見えない景色、世界があろう。落ち着いた組織で経験を積むこともいいが、激動の時期に居合わせた人材は、その後かかる経験を糧として大物となることが多いと当職は考えている。それほど、変化の中で業務に取り組むことには価値があるし、思考が揺さぶられる。その中で才能はさらに開花する。

 入所から7年後、森・濱田松本法律事務所 パートナーに就任する。今で言うと、66期、65期の弁護士の年次でパートナーに就任したということだ。さらに、2年後の2009年の日本経済新聞社のビジネス弁護士ランキングでは、最年少の35歳でトップ10入りを果たす。35歳での当該ランキング入りは、森綜合法律事務所時代の中村直人弁護士(現中村・角田・松本法律事務所)と森・濱田松本法律事務所の松井秀樹弁護士が過去記録している。最年少記録だ(弊社調べ)。2009年の当該ランキングには、中村直人弁護士、久保利英明弁護士、葉玉匡美弁護士、内田晴康弁護士などと肩を並べている。

 職業人生において、30代の過ごし方は極めて重要だ。多くの弁護士のキャリアを研究していると、30代をいかに生きるかがその後キャリアの在り方を決めていくといっても過言ではない。若き弁護士の方々は30代を輝いて(目立つという意味ではなく)生きていけるかどうかが、その後の職業人生を決めていくと考え、日々の業務に取り組まれることが重要であろう。

 三浦弁護士は、2018年まで森・濱田松本法律事務所でパートナーを務め、そして、前述のとおり20191月に三浦法律事務所を立ち上げた。201912月には、日本経済新聞社の第15回企業法務・弁護士調査で、新事務所の勢いを評価されライジングスターとして選出される。同企画の「企業が選ぶ弁護士ランキング」では企業法務総合部門で6位、また、企業票と弁護士票を合わせた総合ランキングでは、企業法務総合部門5位に選出されている。経営者としての才覚と弁護士としての腕を兼ね備える類稀なる弁護士だ。

 さて、コメントに入ろう。

「私どもの事務所に関しては、一部クロスボーダーM&Aの延期といった事象は生じていますが、全般的には特段影響はありません。」と指摘する。一部クロスボーダーMAの延期といった事象は起きているが、全般的に影響がない。このことは、何を意味するのだろうか。三浦法律事務所では総合的なポートフォリオの構築がすでに進んでいることを示すものと解されよう。さすがの三浦弁護士でも一本足打法だとすると、50名弱の弁護士とスタッフを支えることはできない。他のパートナーがしっかりと実績を残しているということだ。そして、その挑戦はまだ始まったばかりだ。パートナー経験を積むことで、ある時に一気に売り上げは伸びる。そして、踊り場に一回出て、さらに伸びるタイミングが来る。各パートナーの経験値が高まってくるとシナジーを生みながら組織は成長する。

「法律事務所がクライアントに対して提供するのは"リーガルサービス"という無形物なので、他の業種以上に良い人材(弁護士、スタッフ)を確保できるか否かが成長できるかどうかの分水嶺になります。」重要な指摘である。リーガルサービスは無形のサービスであるということから導き出される結論としては、最初から最後まで人だということになる。スタッフということに言及しているのも重要な指摘だ。弁護士だけではなく、スタッフのレベルも重要であることを示している。もちろん、スタッフはリーガルサービスそのものを提供しているわけではないが、スタッフが良い人材かどうかは法律事務所全体のパフォーマンスにも影響を与える。強い法律事務所は優秀なスタッフを育成し、育ったスタッフは法律事務所の経営を下支えする。

 優秀な人材を確保できるかどうか、が成長の分水嶺ということを明確に示す。当たり前に聞こえるかもしれないが、こういうコメントをまず出してくるところが流石と思うのだ。言い方を変えると、自分がすごいから成長するとは思っていないということだ。三浦弁護士の個人的な法律事務所にならないことを予感させる。トップのパートナーが採用を指揮している法律事務所は、伸びる傾向がある。逆に採用に関心がなく、もしくは、低く、とにかく経歴のいい人材を採用すれば良いという方針のところもある。そういう事務所の成長は止まるケースが多い。就職転職する際にはトップがどれほど採用に関心があるかは、事務所の成長性・カルチャーを見極める一つの重要な指標だ。

 優秀な人材の確保という点で、エージェントの使い方についても一つ申し上げたいと思う。広く数を展開すればいいのか、それとも信頼できる人間に依頼すれば良いのかという議論がある。両方メリット、デメリットがあるが、本当に自らの実現したい事務所の姿を理解し、それをきちんとマーケットに伝えられるエージェントを選定することは非常に重要だ。網を広げて応募数だけ増やせばいい人材が集まり、いい事務所ができるとの仮説は、実例を通してみると棄却される。ブランディングの意味をどう考えるのかという視点が重要だ。同業界にいる当職の感覚を申し上げると、広告を打ちまくって、人を集めて、ひたすら回転させているエージェントに当職は任せないということだ。経営の理念を理解し、しっかりと自分の言葉で説明できるエージェントでなければならない。エージェントは事務所の、法務部の広告塔になるのだから。個人に引き付ければ、経歴を単に○○大学を出て、○○会社で法務をやっていたと説明されて、何の差別化になるのか。使う側もプロとしての目が出来てこそ、リーガルマーケットのさらなる発展がある。6月28日にリリースした記事「丸の内ビルディングへの本社移転のお知らせと今後の経営方針について」にて既報のとおり、本年9月より採用を強化する。弊社は、既存のエージェントとは一線画したプロファームとして圧倒的前進を見せる覚悟だ。

4/5は、以下URLからご覧ください。以下のリンクは72日夕刻以降有効となります。https://lawplatform.co.jp/booksreports/2020/07/vol1145/

========================
<本件に関するお問合せ先>
企業法務革新基盤株式会社
03-6860-4689
/営業時間:10:0018:00
e-mail:
contact@lawplatform.co.jp

<転職希望もしくはキャリア相談希望の方の登録方法>
以下のURLから登録をお願いいたします。
https://lawplatform.co.jp/agentsearch/form/

<最近の記事>
「法務人材の転職及び弁護士の転職へのコロナ禍による影響続編Vol.10 日比谷パーク法律事務所 代表パートナー 久保利英明氏のコメント 1/5
https://lawplatform.co.jp/booksreports/2020/06/vol1015/

「法務人材の転職及び弁護士の転職へのコロナ禍による影響続編Vol.9 東京国際法律事務所 山田広毅弁護士のコメント前編」
https://lawplatform.co.jp/booksreports/2020/06/vol9/

「法務人材の転職及び弁護士の転職へのコロナ禍による影響続編Vol.8 大手企業法務部部長のコメント前編」https://lawplatform.co.jp/booksreports/2020/06/vol8/

「【速報】令和2年司法試験の合格発表等の日程発表と司法修習生採用に対する影響について」https://lawplatform.co.jp/medianews/2020/06/post_9/

「法務人材の転職及び弁護士の転職へのコロナ禍による影響続編Vol.7 外資系製薬企業 法務部長のコメント前編」
https://lawplatform.co.jp/booksreports/2020/06/vol7/

「【掲載報告】弊社のプレスリリースがメディア45社に掲載されました。」https://lawplatform.co.jp/medianews/2020/05/45/

弊社代表取締役CEO野村慧が、大手渉外法律事務所の所内研修にて講演https://lawplatform.co.jp/medianews/2020/01/ceo/

2019年 総合商社への転職者に関するご報告 市場占有率約30
https://lawplatform.co.jp/medianews/2019/12/2019/

<弊社事業のご案内>
For Legal Profession
・エージェントサービス(弁護士・法務人材) 
・顧問型キャリアデザイン
https://lawplatform.co.jp/ourservice/legalprofession/#agentsearch

For Company and Law Firm
・エージェントサービス
・エグゼクティブサーチサービス
・コンサルティングサービス
・リーガルマーケットリサーチコンサルティング
https://lawplatform.co.jp/ourservice/forcompanylawfirm/